離れて暮らすご家族のことを大切にできるグループホームを目指して

──他のグループホームとは違う、今日香、明日香の特長があれば教えてください。

渥美 利用者さまとの距離が近いことだと思います。ご家族の方に許可をいただいたうえで、あだ名や家と同じ呼び方をさせていただいています。利用者さまの呼びかけ方って大事な問題で、ちゃんと「さん付け」で呼ばないといけないという考え方もあります。今日香では、ご自宅にいるような気分を感じていただきたく、このような呼び方をしています。

平野 明日香でも、家族間でどのように呼んでいたか情報収集しています。あまり丁寧に接し過ぎると、緊張されたり、スタッフと心の距離が生まれたりしてしまいます。それもあって、介護の世界ではいろいろな意見があると思いますが、あえてあだ名で呼んだりもします。利用者さまも職員と同じ地域の方々ですので、方言も積極的に使います。

──まだコロナが収まっていないこともあり、家族であっても面会を完全拒否する施設もありますが、今日香、明日香ではどのような対応をしているのでしょうか?

渥美 事前に連絡をもらい、パネル越しでの面会になります。耳の遠い方には、携帯電話をスピーカーモードにしてお話ししてもらいます。お互い顔を見ながらおしゃべりできるのはうれしいみたいですね。

平野 明日香も同じですね。お看取りの際は、面会許可をいただき部屋に入ってもらいます。スタッフが声をかけても反応しなかったのに、ご家族が来ると表情が和らぐこともあります。
※注:感染症の流行状況により対応は変わりますが、できるだけ面会できない状況は回避したいと考えています。

渥美 以前から、今日香では2ヶ月に1回程度、ご家族さまに写真付きのお手紙をお送りしています。今までは何人かで撮った写真が多かったのですが、コロナ禍になってからは、ご本人さまだけの写真もお送りするようにしました。集合写真は普段の生活の様子が分かるのですが、お顔が小さくなってしまう。個人写真なら表情がしっかり分かると、ご家族さまに喜んでいただいていると思います。なかなか訪問できない県外の方には、動画をお送りするなど、ご家族さまのお気持ちやご要望にできる範囲でお応えしています。