未来を描けるグループホームを目指して

永井 今後はグループホームの運営をお任せいただくのですが、大事にしてほしいというものはありますか?

矢野 僕はね、タバコを吸うし、アルコールも飲む。僕がグループホームに入居しても、変わらず楽しみたいんです。夜の食事だって、普通の人と同じもの、おいしいものを食べたい。もちろん、タバコの不始末による火事の心配など、共同生活では難しいことは理解しているけれど、やっぱり最後までカッコよく生きたいでしょ(笑)

永井 認知症の方のケアには、被介護者を一人の人間として尊重し、その人の立場に立って介護しようという「パーソンセンタードケア」という考え方があります。例えば、タバコやお酒を楽しんでもらうというのも、一つのゴールとしてはあり得るかもしれません。認知症だからといって、全てダメにしてしまうのは早まった考えだと思います。大切なのは、どうやって折り合いをつけるかといことではないでしょうか。

矢野 永井さんにはぜひ、そんなグループホームを作っていただきたい。僕と永井さんは猪突猛進タイプというか、どこか似ているところがある。僕が介護の世界に入ってやっていたら、永井さんみたいになっていたかもしれませんね(笑)

永井 僕はどちらかと言えば慎重だと思っていますが(笑)・・・光栄です。

今日香と明日香、認知症ケアの10年先、20年先。

矢野 今回の事業承継が後退なのかと言えばそんなことはなく、間違いなく前進している。今日香にしても、明日香にしても、10年先、20年先の姿を描けるようになったことはとても重要で、僕にとって永井さんたちに任せられることは最善だったと言えます。困ったことがあれば、何でも相談してください。期待しています。

永井 こちらこそよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。